帝都大戦

2006年11月28日 映画
DVD ハピネット・ピクチャーズ 2000/02/25 ¥4,935
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 『帝都物語』の続編である本作は、同じ荒俣宏の『帝都物語・戦争編』を原作としながら、前作で評判となった嶋田久作演じる怪人・加藤保憲が主人公となっている。
 今度の舞台は第二次大戦下の東京。前作で封印された加藤が東京空襲によってよりパワーアップしてよみがえり、前作では子どもだった平将門の末裔・辰宮雪子と対決する。ハリウッドで活躍しているスクリーン・マッドジョージによるスペシャル・メイクと、本場香港スタッフによるワイヤー・ワーク・アクションというど派手な仕掛け、さらに巨大セットを使った東京空襲シーンの迫力など、前作とは対極にあるエンターテイメント大作に仕上がっている。炎に包まれた鉄塔の上にすっくと立ち現れる加藤の姿は、何度見ても強烈なインパクトを与えるはずだ。(堤 昌司)
帝都物語の続編。
そんなわけで、いそいそと見に行った記憶がある。
しかし、そんな私を映画館で、顎が落ちんばかりに唖然とさせた、稀なる映画だ。
前作が、原作の1・2巻目を映画化したものであれば、これは11巻目ぐらいになるだろうか。
前作に引き続き、加藤保憲は嶋田久作であったため、見に行ったときは、当然、前作レベル。あるいは、前作以上を期待して行った訳だが、肝心の監督が前作とは違う。なぜか、アクションシーンは別に監督がいたりする。と、パンフレットで確認する限り、これまでとはありえないコト尽くしであった。
ま、得意分野もあるだろうし、最後は一人の監督が纏めてりゃいいかと、無理矢理納得させるもヒドかった。
何よりも、陰陽道と風水を用いた魔術を得意とするはずの加藤保憲が、体力勝負のアクションにでてどうする!
コレにはさすがに、脱力させられたものだ。
どこからどうみても、香港映画的ワイヤーアクションだなぁと思って見ていれば、香港の監督担当かい!で、思わずツッコミ入れてしまったほどだ。
香港映画的ワイヤーアクションが幅を利かせ、魔術戦を演出するSFXはドコ行った状態。
前作において辰宮由佳里が加藤保憲によって身ごもり、雪子という娘を産み、その辰宮雪子の出生の秘密。つまり、誰もが、雪子は加藤の娘だと思い、魔人・加藤自身でさえ娘と疑っていなかったのが、意外な秘密があったというのが今作の一番の鍵であるはずなのが、ほとんど生きてないのも、トホホさを増しているだろう。
香港映画的アクションと、チープな恋愛物語とで、原作の持つ独特の恐怖の感覚や、日本特有の怖さを失った映画と成り果ててしまった。
これはもう、邦画ではなく香港映画としか呼べないなと思った作品だ。

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