07月04日付 朝日新聞の報道「シンドラーの閉じ込め、発生率は大手の3倍」へのコメント:
 東京都港区の公共住宅で起きたエレベーター事故を受けて、事故機の製造元、シンドラーエレベータ(東京都)は4日、04年に同社製エレベーターで320件の閉じ込めが起きていたことを明らかにした。日本エレベータ協会によると、発生頻度は、大手5社製の平均と比べて約3倍という。シンドラー社は「他社と比較したことがなく、コメントできない」としている。

 シンドラー社によると、320件は、同社が保守も担当している6121基で04年1〜12月に利用者が閉じ込められた件数。月間の閉じ込め発生率は0.43%となる。

 これに対し、製造各社でつくるエレベータ協会が04年度の大手5社製の閉じ込め故障を調べた結果、51万4千台に対し9252件起きており、月間の閉じ込め発生率は0.15%。シンドラー社製は大手5社製の2.9倍の頻度で閉じ込めが発生していたことになる。

 エレベーターは、オフィスビルやマンションなどそれぞれの建物で使い方が異なる。シンドラー社製は公共施設への設置が目立つこともあり、エレベータ協会は「閉じ込めの発生頻度を比べるには、各社の設置状況や調査態勢も含めて検証する必要がある」と言う。

 シンドラー社は「エレベーターの閉じ込めは、業界において典型的な事象。乗客の安全を守るために機器を停止するため、引き起こされる」とコメントを発表した。

 エレベーター製造各社は、大手5社も含めて、これまで閉じ込めの発生件数を公表しておらず、エレベータ協会がまとめた数字も、今回の事故を受けて初めて明らかになった。
今回の事故連発を機に、シンドラー社ではエレベーターの安全のために、直営のメンテナンス会社だけでなく、外のメンテナンス会社にも技術資料を提供することに決めたという。
なんかさ、最初っから利用者の安全を考えるのなら、たとえ外部メンテナンス会社であろうと技術資料を提供すべきだし、消耗していて部品が必要だと注文が入れば、直営会社ならすぐに出てくる部品が、1ヶ月かかるというような嫌がらせをし、独占を狙うべきではないと思う。
確かに、技術的なものは知的財産であろう。
メンテナンス会社が、その財産をライバル他社に売れば、それなりのペナルティを科しても良いと思う。しかし、自社製品は自社メンテナンス会社で管理させて貰うことを目論んで、外部メンテナンス会社に技術提供しないとか通常よりありえないほど時間をかけて部品を提供することで修理の速さの格差をつけ、委託者に外部だと時間がかかるというイメージを与えて、多少高くても早い方をという無言の圧力で変更を迫るというのは、独占禁止法に抵触しないとは言えないのではないだろうか。
シンドラー社の決断は、さきがけとしてある意味英断ではあるが、利用者の安全面から見るに、当然のことをしなかったための事故であり、遅きに失したと言わざるおえない。

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